【アウトソーシングほっとニュース】若年正社員、定着の対策は「労働時間の短縮・有休取得奨励」が上昇
厚生労働省は、9月25日、令和5年「若年者雇用実態調査」の結果を取りまとめて公表しました。
この調査は、事業所における若年労働者の雇用状況、若年労働者の就業に関する意識など若年者の雇用実態について把握することを目的に、5人以上の常用労働者を雇用する事業所約17,000か所と、そこで働く若年労働者(満15~34歳の労働者)約23,000人を対象として令和5年10月1日現在の状況を調査したものです。前回の調査は平成30年に実施されています。
事業所調査の概況
事業所調査において、全労働者に占める若年労働者の割合は23.7%(前回調査27.3%)で、正社員に占める若年労働者の割合は25.4%(同27.7%)、正社員以外の労働者に占める若年労働者の割合は20.8%(同26.8%)となっており、労働者に占める若年労働者の割合は正社員、正社員以外ともに低下しています。
定着のための対策
「若年労働者の定着のための対策を行っている」事業所の割合は、若年正社員について実施しているものは73.7%(同72.0%)、正社員以外の若年労働者について実施しているものは60.1%(同57.1%)で、ともに上昇しています。
また、若年労働者の定着のために実施している対策(複数回答)をみると、「職場での意思疎通の向上」が若年正社員、正社員以外の若年労働者ともに最も高くなっています。また、若年正社員、正社員以外の若年労働者ともに、前回調査より「労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励」を実施する事業所割合が大きく増加しています。
若年労働者の定着のために実施している対策別事業所割合(前回調査との増減)
個人調査の概況
個人調査において、在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も働いているかを聞いたところ、「勤務している」が55.5%、「勤務していない」が42.7%となっています。
初めて勤務した会社をやめた理由
初めて勤務した会社をやめた理由(3つまでの複数回答)については、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」28.5%、「人間関係がよくなかった」26.4%、「賃金の条件がよくなかった」 21.8%、「仕事が自分に合わない」 21.7%の順となっています。これを初めて勤務した会社での勤続期間階級別にみると、1年未満の期間では「人間関係がよくなかった」と回答した割合が最も高くなっており、1年~10 年未満の期間では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」と回答した割合が最も高くなっています。また、10 年以上の期間では「人間関係がよくなかった」と回答した割合が最も高く、次いで「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」となっています。
若年正社員の転職希望
今後「転職したいと思っている」若年正社員の割合31.2%(同27.6%)で、転職しようと思う理由(複数回答)は、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」59.9%、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」50.0%と高くなっています。