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【アウトソーシングほっとニュース】ストレスチェック、すべての企業に義務化

厚生労働省は、従業員50人未満の小規模事業所に対し、「ストレスチェック」を義務づける方針を決めました。ストレスチェックは、労働安全衛生法に基づき、2015年から従業員50人以上の事業所に年1回の実施を義務づけており、従業員数50人未満の事業所は努力義務とされています。
 仕事上のストレスで精神疾患を発症する人は増え、精神障害による労災認定が増加傾向にあるなか昨年度は過去最多の883人に上り、10年間で2倍になりました。厚生労働省は、義務化の対象を全企業に拡大して、ストレスを抱える労働者への対策を強化する方針です。対象拡大に向けて、今後は労働政策審議会の安全衛生分科会で労働安全衛生法の改正案を議論し、来年の通常国会で改正案の提出を目指すとしています。

ストレスチェックとは

 ストレスチェックは、定期的に従業員のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、従業員がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的とした制度です。

企業におけるメンタルヘルス対策の現状

 令和5年労働安全衛生調査によると、メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合は、従業員数50人以上の事業所で 91.3%となっていますが、30~49人の事業所では 71.8%、10~29人では 56.6%と、小規模事業所においては未だ取り組みが低調です。また、ストレスチェックを実施している事業所の割合は、従業員50 人以上の事業所で84.7%、 50人未満の事業所では32.3%となっています。
 一方、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業又は退職した従業員がいる事業所の割合は、近年上昇傾向にあり、1割を超えて推移しています。こうした中、第14次労働災害防止計画において「従業員数50人未満の小規模事業所におけるストレスチェック実施の割合を2027年までに 50%以上とする」ことが目標に掲げられています。

50人未満の事業場におけるストレスチェック

 「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」中間とりまとめ案より、今後の方向性を引用しておきます。

・ストレスチェック及び面接指導の実施により、自身のストレスの状況への気付きを得る機会は、全ての労働者に与えられることが望ましく、個々の 労働者のストレスを低減させること、職場におけるストレスの要因そのものを低減させることなど、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することの重要性は、事業場規模に関わらないものである。
・ストレスチェックの実施については、平成26年の制度創設当時、労働者のプライバシー保護等の懸念により、50 人未満の事業場において当分の間努力義務とされているが、現時点において、ストレスチェックを実施する場合の労働者のプライバシー保護については、外部機関の活用等により、対 応可能な環境は一定程度整備されていると考えられることから、ストレスチェックの実施義務対象を 50 人未満の全ての事業場に拡大することが適当である。
・ただし、50 人未満の事業場においては、産業医がおらず適切な情報管理等 が困難な場合もあるので、原則として、ストレスチェックの実施は労働者のプライバシー保護の観点から外部委託することが推奨される。
・また、50人未満の事業場には、現在の50人以上の事業場における実施内容を一律に求めることは困難なことから、50 人未満の事業場に即した現実的で実効性のある実施内容を求めていく必要がある。
・衛生委員会等の設置義務がない50人未満の事業場においては、労働者が安心してストレスチェックを受検できるように、関係労働者の意見を聴く機会を活用することが適当である。
・ストレスチェックの実施結果の監督署への報告義務は、一般健診と同様に、 50 人未満の事業場については、負担軽減の観点から課さないことが適当である。
・このほか、50 人未満の事業場に即した、労働者のプライバシーが保護され、 現実的で実効性のある実施体制・実施方法についてマニュアルを作成し、周知を徹底することを前提とする。特に、10 人未満等の小規模な事業場については、その実情を考慮した取り組み可能な実施内容を示す必要がある。
・また、ストレスチェックの実施を外部委託することが多くなると、一方で外部機関のサービスの内容及び費用の設定は様々であるので、その適切性が一層問われることとなる。このため、外部機関に委託する場合のサービ スの質を担保することが重要であり、50人未満の事業場が、委託する外部機関を適切に選定できるようにしていく必要があることから、厚生労働省が「ストレスチェック制度実施マニュアル」で示している「外部機関にス トレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト」に ついて、50 人未満の事業場が活用できるように内容を見直し、周知していく必要がある。
地産保においては、50 人未満の事業場に対して、登録産業医・保健師等による産業保健支援サービスを無料で提供しており、高ストレス者の面接指導について、登録産業医により対応している。ストレスチェックの義務対象を 50 人未満の事業場に拡大する場合、面接指導の対象者が大幅に増える ことが予想される。円滑な施行に資するよう、登録産業医等の充実など、 地産保で高ストレス者の面接指導に対応するための体制強化を図ることが不可欠である。
・また、面接指導以外の相談を選択する高ストレス者等への対応についても、 地産保の体制強化や「こころの耳」の相談窓口の充実を図っていく必要がある。
・これらの支援体制の整備、支援を含めた制度の周知、その上での 50 人未満 の事業場における実施体制の整備に要する期間を確保するため、十分な準備期間の設定を行うことが適当である。

まとめ

 1年に1回のストレスチェックは、小規模企業の事業主にとって、実施の手間や外部委託などのコストが伴い、負担が大きいと思います。だからこそ、従業員への安全配慮義務の観点はもちろんのこと、ストレスチェックの集団分析に基づく職場環境改善を行い、さらなる企業の発展につながるよう、制度を上手に活用することが重要です。
 社会保険労務士法人エスネットワークスでは、給与計算・社会保険手続き、就業規則等の改訂のほか、ストレスチェック制度を含むメンタルヘルス対策の支援も行っています。詳しいサービス内容についてはサービス一覧をご確認いただき、お気軽にお問い合わせください。







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