【アウトソーシングほっとニュース】3月1日から8日は「女性の健康週間」です
厚生労働省では、毎年3月1日から8日までを「女性の健康週間」としています。
女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を過ごすことができるよう、女性の様々な健康課題に対する取組を総合的に支援するために定められた週間です。
期間中は、女性の健康に関する知識の向上や社会的関心の喚起を図るため、女性自身や周囲の人々が、女性の健康づくりや健康支援に役立てられるような取組みがおこなわれています。
3月7日(金)には、記念イベントが開催され、その様子はYouTubeにて生配信がおこなわれます(スマート・ライフ・プロジェクト公式YouTubeアカウントより視聴ができます)。
詳細は、特設サイトをご覧ください。
また、3月8日は「国際女性デー(女性の権利と国際平和を祝う日)」です。女性の権利を守り、ジェンダー平等の実現を目指すため、1975年に国連により定められました。
国際女性デーは「ミモザの日」とも呼ばれ、黄色いミモザの花がシンボルとして親しまれています。ミモザの日は、3月8日の国際女性デーに、イタリアでおこなわれていた男性から女性にミモザの花を贈る習慣から命名されたと伝えられています。
女性の健康支援が経営課題に
「令和5年版働く女性の実情」(厚生労働省)によると、令和5年の女性の労働力人口は3,124万人と前年より28万人も増加しています。女性の社会進出が進み、勤続年数の伸長、初婚・初産年齢の上昇、生涯出生数の減少、平均寿命の伸長など取り巻く状況は大きく変化し、働き方も多様になりました。
これまで、企業の健康支援は、生活習慣病予防としてのメタボリックシンドローム対策など、どちらかというと男性目線の対策が中心でしたが、職場で働く女性が増加し、その活躍が一層期待される昨今、女性の健康支援は企業の成長のカギを握る重要な経営課題になりつつあります。
さて、経団連は1月21日、女性活躍推進に関するアンケート結果を公表しました。同調査は、企業における女性活躍推進の一環として、男女間賃金差異の解消や女性の健康課題等に関する取り組み状況を把握するため、2024年8月から9月にかけて経団連会員企業を対象に実施したもので、226社が回答しています(回答率は13.9%)。
女性の健康の維持・向上に関する考え方・施策について、自社の一般事業主行動計画等に「盛り込んでいる」と回答した企業は54.2%でした。女性の健康の維持・向上のために実施している具体的な施策としては、「健康に関する相談窓口の設置」(88.1%)が最も多く、これに「健康診断における婦人科検診の追加」(78.5%)、「女性の健康に関する情報提供」(76.3%)などが続いています。なお、男性の健康課題(更年期症状、不妊治療、風疹対策等)に関する支援策に取り組んでいる企業は37.3%となっています。
女性活躍推進法改正案 働く女性の健康配慮を明記
政府は、頭痛や気分の落ち込みなど更年期症状や生理に伴う体調不良の女性従業員を支援するよう企業に求める女性活躍推進法改正案を今国会に提出します。業務効率が低下したり通勤がつらかったりと健康面で悩みを抱える女性は多く、両立しやすい職場づくりが問われており、企業経営においても重要なテーマになっています。女性活躍推進法の成立から10年が経ち、働く女性の健康上の課題に配慮すべきと初めて明記し、休暇制度の拡充や相談窓口の整備などを促します。具体的には、女性活躍に向け企業に策定を義務付けている一般事業主行動計画に、「女性特有の健康課題に配慮した取り組み」の項目を追加します。
法定の「生理休暇」はありますが、更年期症状のほか、女性の負担が大きい不妊治療を対象とした法定休暇はありません。女性特有の健康課題で休みやすくするため、企業が就業規則などで対応できる特別休暇の創設を後押しし、相談窓口の設置や、職場の理解促進へ社員研修の普及を図る予定です。
働く女性の心とからだの応援サイト
企業の担当者として女性の健康支援のためにどんな取組みをすればよいかわからない場合、「働く女性の心とからだの応援サイト」を参考にされてはいかがでしょうか。企業や働く女性等に対して、母性健康管理や女性の健康課題に関する情報を提供する専用サイトです。
<サイトの内容>
・事業主や全国の女性関連施設等向けの研修用の教材、動画の配信
・母性健康管理、月経等に関するメール相談の実施
・事業所における具体的取組の好事例の掲載
・母性健康管理指導事項連絡カードの内容等に関する情報提供
職場における女性の健康支援に関する取組みのポイントが9つ掲載されていますので、ご紹介しておきます。
① ヘルスリテラシー向上の取組み
・女性特有の健康課題や女性に多い症状に関する研修会の開催
・健康課題に関する啓発冊子の配布
・社内ポータルサイト等での健康情報掲載
・オンラインを利用したワークショップ、動画の配信 他
② 健康に配慮した職場環境の整備
③ 婦人科検診率向上のための取組み
④ 女性の健康課題を相談しやすい体制づくり
⑤ 妊娠・出産等に関わる制度・支援の充実
⑥ ハラスメントのない職場環境づくり
⑦ 休暇制度の充実・柔軟な働き方の実現
・生理休暇を取得しやすい環境の整備
・不調時の休養、治療・通院、検診と仕事を両立するために、休暇制度の整備や柔軟な働き方(フレックス、時差出勤、テレ ワークなど)の導入
・女性だけでなく管理職や男性も含めた職場全体の働き方改革 他
⑧ 推進体制の整備
⑨ 認定、顕彰制度の活用
この記事を書いたのは・・・
社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K
事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。