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【アウトソーシングほっとニュース】出版社に賠償命令 フリー編集者へパワハラ

朝日新聞出版が発行するムック本の制作業務を請け負ったフリーランスの女性編集者が、責任者の社員からパワーハラスメントを受けたとして、同社と社員に計約1,900万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は4月7日、「社員の言動は業務の適正な範囲を超えていた」とし、暴言で精神的苦痛を受けたと訴えを一部認め、計約60万円の支払いを命じました
判決によりますと、女性編集者は2018年11月、同社と業務委託契約を結び、編集業務に従事していました。責任者の社員は、2019年1月、業務が遅れているとして、女性編集者に対し「考え方が非常識」「親の顔が見たい」などと記したメールを送ったほか、必要がないのに深夜の午前1時に電話をかけ年齢や出身地を尋ねるなどをしました。メールは、業務に関わっていた第三者にも送られており、東京地裁は、こうした行為が「編集責任者という優越的関係に基づき業務範囲を超えた非難をしたほか、困難な作業を補助なく指示した」と指摘し、責任者の社員による人格権の侵害を認めました

フリーランスが受けるハラスメントの実態

 2019年9月に「フリーランス協会」が発表した、フリーランスを対象にしたハラスメントの実態調査によりますと、「パワーハラスメントを受けたことがある」と回答した人は61.6%、「セクシュアルハラスメントを受けたことがある」と回答した人は36.6%と、多くの回答者が何らかのハラスメントを経験していることがわかりました。
 体験したり見聞きしたりしたことのあるハラスメントの内容を見ると、最も多いのは「精神的な攻撃(脅迫/名誉棄損 /侮辱/酷い暴言等)」(59.4%)で、続いて「過大な要求(不要/遂行不可能なことの強制)」(42.4%)、「経済的な嫌がらせ」(39.1%)となっています。また、「性的関係を求められた・迫られた」も2割弱が経験しており、「レイプされた(同意のないセックスをさせられた)」「性器/自慰行為を見せられた」等の深刻な性被害も3~4%が経験していました。フリーランスが受けたハラスメントの内容









フリーランス新法

 2024年11月1日に施行された、フリーランスの取引に関する新しい法律である「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、フリーランスの働く環境を整備し、ハラスメントを防止するために制定されました。
 この法律では、フリーランスに業務を発注する事業者には以下のような義務が課されており、これらの措置により、フリーランスが安心して働ける環境を提供することが目指されています。
①ハラスメント防止のための体制整備
 フリーランスに対するハラスメント行為に関し、次の措置を講じることが求められます。
 ●ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化
 ●方針の周知・啓発
 ●相談や苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
 ●ハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
②不利益取扱いの禁止
 フリーランスがハラスメントに関する相談を行ったことを理由に、不利益な取扱いをしてはなりません。
③取引条件の明示
 業務委託契約書において、取引条件を明確に記載し、フリーランスが安心して業務を遂行できる環境を整えることが求められます。

フリーランス・トラブル110番

 「フリーランス・トラブル110番」は、厚生労働省が委託し、第二東京弁護士会が運営する相談窓口です。フリーランスや個人事業主の方から、ハラスメントを含む仕事上のトラブルに関する相談を無料で受け付けています。
 フリーランスとして働いている人は、周りに相談できる人がほとんどいないことが多く、何かあったときは本当に不安になると思います。何かしらのトラブルに遭遇した際は、自分の身を守るために、ためらわず相談してみましょう。


社労士法人エスネットワークスでは、貴社の課題やニーズに応じたハラスメント防止研修を承っております。弊社にはハラスメント防止の専門家である21世紀職業財団認定「ハラスメント防止コンサルタント®」が在籍しているため、専門家としての知見を活かした研修を行います。
ハラスメント防止研修|日本の給与計算アウトソーシング・社会保険手続き代行法人|社会保険労務士法人エスネットワークス

この記事を書いたのは・・・

社会保険労務士法人エスネットワークス
特定社会保険労務士M・K

事業会社での人事労務キャリアを活かし、クライアントの労務顧問を務めている。労働法をめぐる人と組織に焦点を当てる「生きた法」の実践をモットーとし、社会保険労務士の立場からセミナーや講演を通して、企業に“予防労務”の重要性を呼び掛けている。日本産業保健法学会会員。




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