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『エスネットワークス人事労務通信 2024年6月号』を掲載致しました

高年齢労働者の労働災害防止等のための補助金が拡充されています

 ◆令和6年度エイジフレンドリー補助金の申請受付中
 本補助金は、高年齢労働者の労働災害防止対策、労働者の転倒や腰痛の防止策導入等、労働者の健康保持増進策を講じる中小企業事業者が活用でき、「高年齢労働者の労働災害防止対策コース」「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」「コラボヘルスコース」の3コースがあります。

 ◆今年度からの拡充内容
 「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」の補助率が4分の3に引き上げられ、補助対象が「すべての中小事業者」へと拡充されています。
 本コースは、高年齢労働者に多い転倒や腰痛の防止・予防のため、専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェックおよび専門家等による運動指導等に要する経費を補助するもので、上限額は100万円(消費税を除く)です。

 ◆複数コースの申請もOK
 本補助金は、高年齢労働者の労働災害防止対策(転倒・墜落災害、腰痛、熱中症、交通災害)に要する経費(階段への手すり設置工事の施工や体温を下げるための機能のある服の導入等)を補助する「高年齢労働者の労働災害防止対策コース」や、労働者の健康保持増進のための取組み(禁煙指導、メンタルヘルス対策等の健康教育など)に要する経費を補助する「コラボヘルスコース」との複数コースでの申請も可能です。複数コース申請する場合、併せての上限額は100万円となります。
 申請受付期間は、令和6年10月31日(木)までです。補助対象となる取組みを検討している場合には、補助金の活用も併せて検討してはいかがでしょうか。


【厚生労働省「エイジフレンドリー補助金について】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html


改正育児・介護休業法、改正次世代育成支援法が成立しました

  男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにするため、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大や次世代育成支援対策の推進・強化、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等の措置を目的とした改正法が成立しました。

 ◆育児・介護休業法の改正ポイントと施行日
① 3歳以上、小学校入学前の子を養育する労働者に柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務になります。【施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日】
② 小学校入学前の子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働の制限(残業免除)を受けることが可能となります。【施行日:令和7年4月1日】
③ 3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、事業主に努力義務化されます。【施行日:令和7年4月1日】
④ 子の看護休暇が見直されます。【施行日:令和7年4月1日】
⑤ 妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主に義務づけられます。【施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日】
⑥ 育児休業取得状況の公表義務が従業員数300人超の企業に拡大されます。【施行日:令和7年4月1日】
⑦ 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、 雇用環境整備等の措置が事業主の義務になります。【施行日:令和7年4月1日】

 ◆次世代育成支援対策推進法の改正ポイントと施行日
① 法律の有効期限が、令和17(2035)年3月31日までに延長されました。【施行日:公布の日(令和6年5月31日)
② 育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定が従業員数100人超の企業に義務付けられます。【施行日:令和7年4月1日】
 詳細は今後政省令で定められますので、注視しておく必要があるでしょう。


【厚生労働省「育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正ポイントのご案内】
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf


「令和5年 労働災害発生状況」~転倒、高齢者等の災害が増加

 ◆死亡者数は過去最少、休業4日以上の死傷者数は3年連続で増加
厚生労働省は令和5年の労働災害発生状況を公表しています。これによると、令和5年1月から12月までの新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いた労働災害による死亡者数は755人(前年比19人減)と過去最少となり、休業4日以上の死傷者数は135,371人(前年比3,016人増)と3年連続で増加しています。

 ◆休業4日以上の死傷者数の事故の型別では「転倒」が最多
休業4日以上の死傷者数の事故の型別では、件数の多い順に「転倒」が36,058人(前年比763人・2.2%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が22,053人(同1,174人・5.6%増)、「墜落・転落」が20,758人(同138人・0.7%増)となっています。

 ◆「第14次労働災害防止計画」と高齢者等の災害
労働災害を減少させるために重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」(令和5年度~令和9年度)では、「転倒による平均休業見込日数を令和9年までに40日以下とする」、「増加が見込まれる60歳代以上の死傷年千人率を令和9年までに男女ともその増加に歯止めをかける」などの項目が挙げられていますが、このアウトカム指標に関する状況としては、転倒災害の死傷年千人率は0.628(対前年比0.009ポイント・1.5%増)、転倒による平均休業見込日数は48.5日(同1.0日・2.1%増)、60歳代以上の死傷年千人率は4.022(同0.061ポイント・1.5%増)と増加の状況がみられます。

 ◆今後必須となる高齢者の労働災害防止
「令和5年 高年齢労働者の労働災害発生状況」によれば、雇用者全体に占める60歳以上の高齢者の割合は18.7%、労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の高齢者の割合は29.3%となっています。高齢者の事故の型別では、「墜落・転落」、「転倒による骨折等」が目立っています。企業としては、今後の高齢化の状況を踏まえて、転倒災害などの高齢者による事故への備えは必須となってくるでしょう。


【厚生労働省「令和5年の労働災害発生状況を公表」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40395.html


「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書が公表されました

 厚生労働省が、「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表しました。前回調査から3年が経過し、ハラスメントに係る状況にも変化があると考えられることから、ハラスメントの発生状況や企業の対策の進捗、労働者の意識等を把握し、今後の諸施策に反映させることを目的に実施したものです。

 ◆企業におけるハラスメントの発生状況
「過去3年間にハラスメントの相談があった」と回答した企業について、ハラスメントの種類別割合を見ると、高い順にパワハラ(64.2%)、セクハラ(39.5%)、顧客等からの著しい迷惑行為(27.9%)となりました。また、各ハラスメントの相談件数の推移については、「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高くなりました。なお、「顧客等からの著しい迷惑行為」については、「件数が増加している」の割合のほうが「件数は減少している」より高くなっています。

 ◆労働者におけるハラスメント被害を受けた経験
過去3年間に勤務先でパワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為を受けた割合は、それぞれ19.3%、6.3%、10.8%でした。また、パワハラ、セクハラを受けた後の行動としては、「何もしなかった」が最も多く、顧客等からの著しい迷惑行為については「社内の上司に相談した」が最も多くなりました。

その他、調査結果の詳細は以下のホームページをご覧ください。


【厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」(令和5年度厚生労働省委託事業)】
https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001256082.pdf


「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」が策定されました

  厚生労働省は、事業を行う者のうち労働者を使用しないものおよび中小企業の事業主または役員(以下「個人事業者等」という。)が、労働者と同じ安全衛生水準を享受すべきであるという基本的な考え方のもと、「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」を策定、5月28日に都道府県労働局長に通達を出しました。

 ◆個人事業者等が自身で行うべき事項
(1) 健康管理に関する意識の向上
(2) 危険有害業務による健康障害リスクの理解
(3) 定期的な健康診断の受診による健康管理
(4) 長時間の就業による健康障害の防止
(5) メンタルヘルス不調の予防 
(6) 腰痛の防止
(7) 情報機器作業における労働衛生管理
(8) 適切な作業環境の確保
(9) 注文者等が実施する健康障害防止措置への協力

 ◆注文者等が行うべき事項
(1) 長時間の就業による健康障害の防止
(2) メンタルヘルス不調の予防
(3) 安全衛生教育や健康診断に関する情報の提供、受講・受診機会の提供等
(4) 健康診断の受診に要する費用の配慮
(5) 作業場所を特定する場合における適切な作業環境の確保

 ◆団体等に期待される取組み
個人事業者等が健康に就業するためには、各業種・職種の個人事業者等や注文者等の団体、仲介業者等(以下「団体等」という。)も、それぞれの立場に応じて、個人事業者等の健康管理に資する取組みを行うことが期待されます。その際、個人事業者等の活動の場は様々な業種・職種にわたることを踏まえ、団体等がガイドラインを参考に、それぞれの業種・職種の実情や商慣習に応じた業種・職種別のガイドライン(以下「業種別・職種別ガイドライン」という。)を必要に応じて策定することが推奨されています。


【厚生労働省「個人事業者等の健康管理に関するガイドライン」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001257617.pdf


カスハラの深刻化に対する対応と実態調査結果
~UAゼンセンのアンケート調査結果などから

 ◆カスハラの深刻化に対する業界・行政の対応
顧客による理不尽・悪質なクレームを指すカスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」)という言葉は、ここ数年でよく聞かれるようになりました。
最近はカスハラを深刻な問題ととらえ、接客業を中心に、制度の見直しや法令の改正等の動きもみられます。例えば運送業では、SNS上での中傷のリスクのあったバスやタクシー運転手の氏名表示が、2023年5月に廃止されました。旅館業界では同年12月に施行された改正旅館業法で、不当な要求等を行う者に対し宿泊を拒否できるようになりました。さらに、東京都ではカスハラ防止条例を制定する方向を示しています。また、自民党はカスハラからの従業員保護策を企業に義務付ける法整備等の提言を行うなど、社会全体におけるカスハラ対応の勢いは増しています。
企業としても、カスハラの予防・対処や従業員の保護は重要な課題となっています。厚労省は2022年2月、カスハラの対応基準等を示した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表しています。また、JR東日本などをはじめとして、企業がカスハラ対応指針を策定・公表する事例も続いています。2022年9月22日に心理的負荷による精神障害の労災認定基準が改正され、カスハラが新たな対象となったことも重要事項です。

 ◆UAゼンセンのアンケート結果から
そのようななか、UAゼンセンはサービス業に従事しているUAゼンセン所属組合員に対するカスハラ対策についてのアンケート結果を公表しました。これによると、カスハラ被害自体は前回調査時から減少している(「あなたは直近2年以内で迷惑行為被害にあったことがありますか」という質問に対し46.8%が「あった」と回答。2020年時調査の56.7%から減少)ものの、回答者の半数近くがパワハラ被害の経験があることからも、依然として深刻な状況にあることがうかがえます。
迷惑行為をしていた顧客のうち、50歳代以上が75.7%と大きな割合を占めているということです。また、カスハラには「時間拘束型」、「暴力型」、「威嚇・脅迫型」、「SNS/インターネット上での誹謗中傷型」、「セクシュアルハラスメント型」といった型があり、業種・業態によっても特徴や傾向、対応が異なる(例えば、介護・福祉等を含む業種グループでは対応者は女性の割合が高く、被害回数が多くて被害期間も最も長い特徴をもち、他のグループに比べより毅然とした態度や危機退避が求められる、など)とのことです。
社会的な認知・対応が進んできたとはいえ、カスハラはさまざまな業種において深刻な被害をもたらし、生産性にも影響を与えています。UAゼンセンは上記の調査を踏まえ、総合的な施策の推進を目的とした協議会の設置や、事業者に任せきりにするのではなく、社会的な合意形成に向けた周知活動・消費者教育の強化等が必要としています。

事業主として、社員の働きやすさ・安全の確保に努めることは重要です。とくに人手不足の社会において、そうした施策を進めることは離職防止にも役立ちます。
とくに顧客対応業務の多い企業においては、一歩進んだ対策を検討してみてはいかがでしょうか。


【UAゼンセン「“職場におけるカスタマーハラスメントの実態把握へ”第3弾調査実施」】
https://uazensen.jp/2024/06/05/100876/


たかが…、されど、やっぱりOJT

 企業の力を高めるために若手社員の教育やOJTの必要性を感じながらも、うまく取り組めている自信がないという方も多いでしょう。
HR総研が昨年実施した「若手社員の育成に関するアンケート調査」によると、中小企業で若手社員の育成計画を作成できている企業は53%しかないそうです。
OJTのトレーナーも専属というわけではなく、先輩社員が自分の業務をこなしながら新入社員を教えるということが多いですから、どうしてもOJTの時間が取れなくなります。計画もない、時間もない、という中でOJTへの意欲を持てというのも酷な話ですね。

 ◆Z世代だから難しい?
Z世代のコミュニケーション能力の低さを言う風潮もありますが、それを「違い」と捉えれば、その溝を埋めるためにはコミュニケーションをとるしかありません。
得体のしれないものが怖いというのは本能的なものかもしれませんが、そうした無知からくる怖さをなくすには、「知ればよい」ということになります。自分が相手を怖いと思っているときは、たいていの場合、相手も自分を怖いと思っています。
もし、現状のOJTがうまくいっていない場合は、OJTだからと肩ひじ張るのではなく、まずは普通の会話ができる関係づくりから始めてみてはどうでしょうか?

 ◆OJTの体制整備を
同調査によると、業務パフォーマンスの向上に最も相関関係のある企業の取組みは「OJTの体制整備」だそうです。つまり、体制が整っていないと業務パフォーマンスが上がらない、OJTの効果が上がらないということでしょう。「最近の若い者は……」と言っているだけでは始まりません。コミュニケーション改善を含めた育成計画の策定と体制整備を行いましょう。


【HR総研「若手社員の育成に関するアンケート調査」】
https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=368


受動喫煙防止対策助成金 令和6年度の申請が始まりました

 ◆受動喫煙防止対策助成金とは
中小企業事業主による受動喫煙防止のための施設設備の整備に対し助成することにより、事業場における受動喫煙防止対策を推進することを目的とするものです(令和6年度の申請は令和7年1月31日まで)。喫煙専用室の設置・改修、指定たばこ専用喫煙室の設置・改修の措置にかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などが助成対象となります。

 ◆助成率、助成額は
喫煙室の設置などに係る経費のうち、100万円を上限に、3分の2(主たる業種の産業分類が飲食店以外は2分の1)が助成されます(工事実施後に支給)。助成を受けるには、工事の着工前に「受動喫煙防止対策助成金交付申請書」を所轄都道府県労働局長に提出し、あらかじめ交付決定を受ける必要があります。

 ◆対象となる事業主は
以下の①~④すべてに該当する事業主です。
①健康増進法で定める既存特定飲食提供施設(※)を営んでいる、②労働者災害補償保険の適用を受ける、③中小事業主である、④事業場内において措置を講じた区域以外を禁煙とする。
※健康増進法に規定する第二種施設のうち、飲食店、喫茶店その他設備を設けて客に飲食をさせる営業が行われる施設で、ア.現に存する飲食店、イ.資本金5,000万円以下、ウ.客席面積100㎡以下の要件を満たすもの

テナントに出店している事業者や貸ビルに入居している事業者も、施設管理者の承諾が得られれば、申請できます。

 ◆健康増進法で定める事業主の義務とは
2020年4月から、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行され、原則屋内禁煙となっています(望まない受動喫煙を防止するための取組みはマナーからルールへ)。それにより、喫煙できるのは基準を満たした喫煙室のみで、飲食店は原則屋内禁煙(基準を満たした専用室のみ喫煙可)、病院・学校は敷地内禁煙(屋外に喫煙場所設置可)、それ以外のすべての施設は原則屋内禁煙(基準を満たした専用室のみ喫煙可)となっています。


【厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html


中小企業の賃上げ率3.62%~日商調査より

 日本商工会議所から、2024年4月時点の中小企業の賃上げ状況に関する調査が発表されました。ポイントは次のとおりです。

 ◆2024年度の賃上げ
・2024年度に「賃上げを実施予定」とする企業は74.3%と7割を超え、1月調査から13.0ポイント増。うち「防衛的な賃上げ」は59.1%と依然6割近く。
・従業員数20人以下の企業では、「賃上げを実施予定」は63.3%。うち「防衛的な賃上げ」は64.1%。規模の小さな事業所では賃上げの動きがやや鈍く、厳しい状況。
・「賃上げを実施予定」とする企業は、卸売業、製造業で8割超え。 最も低い医療・介護・看護業で5割強(52.5%)と全業種で半数以上が賃上げ。
・情報通信業、宿泊・飲食業、金融・保険・不動産業で「前向きな賃上げ」が5割超に達する一方、運輸業では「防衛的な賃上げ」が7割超(72.2%)と業種により差。

 ◆正社員の賃上げ
・正社員の賃上げは、【全体】賃上げ額(月給)9,662円、賃上げ率3.62%(加重平均)。【20人以下】賃上げ額(月給)8,801円、賃上げ率3.34%(加重平均)。
・業種別では、その他サービス業、小売業で4%台と高く、運輸業、医療・介護・看護業は2%台にとどまる。

 ◆パート・アルバイト等の賃上げ
・パート・アルバイト等の賃上げは、【全体】賃上げ額(時給)37.6円、賃上げ率3.43%(加重平均)。【20人以下】賃上げ額(時給)43.3円、賃上げ率3.88%(加重平均)。
・業種別では、医療・介護・看護業、運輸業で4%台後半と高い賃上げ率。

正社員の賃上げ率3.62%は高い数字であり、日本商工会議所は中小企業に賃上げの動きが広がっていると分析していますが、報道では大企業との差はなお大きいとの声もあります。


【日本商工会議所「中小企業の賃金改定に関する調査」の集計結果について】
https://www.jcci.or.jp/news/research/2024/0605110001.html


令和5年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」から

 厚生労働省が5月31日、令和5年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)の取りまとめを公表しました。

 ◆全体の約4割が建設業と製造業で発生
令和5年の職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は、1,106人(前年比279人・34%増)であり、全体の約4割が建設業と製造業で発生していました。死亡者数は31人(前年比1人・3.3%増)で、業種別では、建設業で12人と最多になりました。

 ◆熱中症の死傷者数の約8割は7月または8月
2019 年以降の月別の熱中症の死傷者数をみると、7月または8月に約8割が発生していました。時間帯別にみると15時台が最も多く、次いで11時台が多くなっていました。このほか、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院へ搬送されるケースも見られました。
また、年齢別にみると、全体の約5割が50歳以上でした。

 ◆厚生労働省の対策キャンペーンと現場の対策
熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻したりするなどして発症する障害の総称です。
厚生労働省では、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を5月1日から9月30日まで実施しています。
それぞれの現場では、①暑さ指数(WBGT)の把握とその値に応じた熱中症予防対策を適切に実施すること、②作業を管理する者および労働者に対してあらかじめ労働衛生教育を行うこと、③糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病を有する者に対して医師等の意見を踏まえた配慮を行うこと、について重点的に取り組むようにしましょう。


【厚生労働省「令和5年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40473.html


6月は「外国人雇用啓発月間」です

 厚生労働省では、6月を「外国人雇用啓発月間」と定め、事業主団体などの協力のもと、事業主を対象に労働条件などルールに則った外国人の雇用や外国人労働者の雇用維持・再就職援助などについて積極的な周知・啓発活動を実施しています。

 ◆今年度の取組方針
今年は広く国民一般を対象に、「ともに創ろう、みんなが働きやすい職場~外国人雇用はルールを守って適正に~」を標語として、次の取組みの実施を掲げています。
① 我が国の外国人雇用対策の基本的な考え方の周知
② 外国人雇用状況届出の厳格な履行確保
③ 外国人雇用管理指針に基づく雇用管理改善指導等を始めとする外国人労働者の適正な雇用管理、労働条件及び安全衛生の確保対策並びに助成措置の周知
④ 特定技能外国人の適正な受入れに向けた助言・指導
⑤ 定住外国人の就労支援及び安定雇用の確保
⑥ 高度な技能を有する外国人材が能力を発揮しやすい職場環境の整備
⑦ 留学生を始めとする「専門的・技術的分野」の外国人の就業促進
⑧ 不法就労防止対策

 ◆実施内容
期間中の主な施策として、厚生労働省は、ポスターを作成・掲示するとともに、外国人雇用に係る留意点等についての事業主向けのパンフレットを作成しています。パンフレットには、事業者への外国人雇用状況届出義務の周知や、外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(外国人雇用管理指針)について掲載されています。また、都道府県労働局、ハローワークは、この指針等に関する「外国人雇用管理セミナー」を開催し、周知・啓発を行います。
その他、「外国人雇用サービスセンター」や一部の新卒応援ハローワーク内に設置している「留学生コーナー」で、留学生の就職支援を行っていることの周知や、求職者が仕事の探し方等について相談できる「ハローワークコールセンター(多言語窓口)」や、全国のハローワークの窓口で利用可能な電話通訳サービス「多言語コンタクトセンター」を活用した多言語対応による外国人求職者の職業相談ができることの周知などを行います。


【厚生労働省「6月は「外国人雇用啓発月間」です」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39631.html


7月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日
・健保・厚年の報酬月額算定基礎届の提出期限[年金事務所または健保組合]<7月1日現在>
・源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
・特例による源泉徴収税額の納付<1月~6月分>[郵便局または銀行]
・雇用保険被保険者資格取得届の提出[公共職業安定所]<前月以降に採用した労働者がいる場合>
・労働保険の今年度の概算保険料の申告と昨年度分の確定保険料の申告書の提出期限<年度更新>[労働基準監督署]
・労働保険料の納付<延納第1期分>[郵便局または銀行]

16日
・所得税予定納税額の減額承認申請<6月30日の現況>の提出[税務署]
・障害者・高齢者雇用状況報告書の提出[公共職業安定所]

31日
・所得税予定納税額の納付<第1期分>[郵便局または銀行]
・労働者死傷病報告の提出[労働基準監督署]<休業4日未満、4月~6月分>
・健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
・健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所] 
・労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
・外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
・固定資産税・都市計画税の納付<第2期>[郵便局または銀行]
※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

 

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